デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

短期移民である外国人観光客を利用し、日本の収入源を確保する! 観光資源をどのように整えていけば、日本は世界に誇れる観光立国になれるのか。2020年、東京オリンピックを審判の日として、それまでにするべきこととは。

観光地出張だったので読んでいたら、著者本人がいて、思わず声をかけてしまった1冊。観光は文化・自然・食事・気候の4本柱であると明記し、日本まだまだ伸び代ありますよっていう話し。同時に稼ぎかたや、お客さまの要望を吸い上げる下手さを指摘する。「おもてなし」の一言で無駄なサービスにせず、しっかりとお金をいただけるシステムを作らなければ。サッパリした姿勢なので、私は好きです。

アンデシュ・ルースルンド ベリエ・ヘルストレム 死刑囚

暴力沙汰で逮捕されたカナダ国籍の男は、6年前に死んだはずの死刑囚? グレーンス警部率いるチームは、ただの傷害事件への調査から、各国の政治が絡む大問題に関わっていく……。

えっ! そこまで嫌な味で終わらせちゃうの? シリーズ第3弾。こんな北欧ミステリー大好き! 今回気づいたのは、そこで我慢をすれば! と読者に思わせるラインが上手い。その歯止めがきかないことで、雑なプロットにも見えるけど、読んでいてモヤモヤさせるんだよな。

死刑囚 グレーンス警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死刑囚 グレーンス警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

水野俊平 台湾の若者を知りたい

震災での義援金や、来日観光客の増加など、親日国で知られる台湾。観光のことは知っていても、台湾の若者はどんな生活をしているのか、意外と知られていない。学校生活から兵役、就活まで、彼らの日常生活を追う。

まさにメイン読者層である中高生向き! ではあるけど、コンパクトに台湾の歴史と生活文化、学業についてまとまった台湾現代史とも呼べる1冊。似ていること、違うことそれぞれ読み応えあるなあ。高校生へのインタビューが可愛いので、ここだけでも読んでほしいくらいだ。

台湾の若者を知りたい (岩波ジュニア新書)

台湾の若者を知りたい (岩波ジュニア新書)