平山夢明 ダイナー

金銭トラブルから、プロの殺し屋が集まる会員制ダイナーで働くことになったオオバカナコ。ウェイトレスをヒトとも思わない客の面々。接客を1つ間違えれば死ぬ中で、彼女は脱出を諦めていなかった……。

NHKで小説の料理を再現するドラマがあって、読みたかった1冊。何度もハンバーガーが出てくるので、殺し屋の物語より、その味わえないジューシーで熱々な存在に心奪われてしまった。色々とハンバーガーを食べたけど、小説に敵うものにはまだ出会えていない。私の食欲はいつか満たされるのでしょうか。

ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

早坂吝 誰も僕を裁けない

「援交探偵」上木らいち第3弾! 名門企業の社長から、メイドとして雇われた彼女だったが、そこは奇妙な館だった。またもや殺人事件が発生! 一方、資産家令嬢と出会った戸田公平は、一晩の出来事で逮捕されてしまう。絶対的な法の前に、彼は無罪を主張できるのか⁉︎

新本格派と極太の社会派ミステリーが融合するッ! あ、アホかー! 「ほぉ」とか思わせる切れ味がイライラする(苦笑い)。残されたミステリー・フロンティアのさらに先を行く作者による、強烈な1本勝負でした。

誰も僕を裁けない (講談社文庫)

誰も僕を裁けない (講談社文庫)

池上俊一 パスタでたどるイタリア史

イタリアの代表的な国民食の1つ、パスタ。パスタは母の味であり、イタリアの豊かな地域色を反映する。しかしその歴史は、イタリアの苦悩を反映した。古代ローマのパスタの原型に始まり、侵略と統一、大航海時代がもたらしたトマトなど、様々な表情を見せる。イタリアの思想にまで影響を及ぼしたパスタを、歴史とともに追う。

古本屋の店頭ケースにあったので手にすると、女性から「それ面白かったですよ」と言われて買ってしまった。こんなイベントあるんだとびっくりしたし、その女性は恥ずかしそうにすぐに去っていった。パスタが近年まで大衆の料理ではなく、イタリア統一の時代の中で、様々な意味が読み取れるので面白い。西洋史は苦手だけど、食を通して読み通せました。感謝の気持ちを伝えたい。

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)