詠坂雄二 インサート・コイン(ズ)

ゲーム雑誌でライターを務める柵馬は、記事を書くために日夜奔走する。動くキノコを求めて奥多摩へ。初恋の彼女とプレイしたゲームの思い出。あの有名RPGに隠された伏線とは。俺たちが過ごした青春と楽しさは、現代ミステリーへと化けて現れた。

様々な感想サイトでも挙げられるいるように「残響ばよえ〜ん」が青春ミステリーの佳作。ゲームではない、リアルなストリートファイターの真実を追う「俺より強いヤツ」は迫力があって好きなんだよね。

インサート・コイン(ズ) (光文社文庫)

インサート・コイン(ズ) (光文社文庫)

鴻上尚史 「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる

「空気」を読めと言うけれど、「個性」も尊重しろと言われる時代。どうしてこんなに息苦しいの?もっと自分らしく、もっとのびのびと行きたい人へ送る、とっておきのアドバイス

ネットコラムが都度話題になるので、そのベースが書かれていると思って読んでみた。なるほど「空気」とか「忖度」とか様々表現があるけど、「世間」と「社会」に分けて考えなさいという生き方入門書だった。その考え方はとても気持ちよくて(心地よいわけではない)、私自身大変スッキリした。「社会」人としてしっかり生きていこう。年代問わず「生き辛いなぁ」と感じている人が読んでくれることを願います。

ソフィー・エナフ パリ警視庁迷宮捜査班

6カ月の停職処分から復帰したアンヌ・カペスタン警視正。未解決事件を扱う新しい特別捜査班をまとめるよう命じられるが、集まった面々は厄介者ばかりだった。バディを不幸にする死神、大酒飲み、スピード狂、チクリ屋……。目の前の資料から、20年前のフェリー船員殺人事件と、8年前の強盗殺人で捜査を始めるが……。

「フランスの『特捜部Q』」と言ってしまえばそうなんだけど。第1話からキャラクターたっぷりのオールスターで、良くも悪くももの足りず。ただ、コミカルとシリアスが織りなす相乗効果がとても良くて、宴会シーンがめちゃくちゃ楽しい。これからの振り回されるようなチームワークに期待したい。

パリ警視庁迷宮捜査班 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

パリ警視庁迷宮捜査班 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)