友桐夏 白い花の舞い散る時間

2005年度ロマン大賞佳作受賞の友桐夏白い花の舞い散る時間』を読む。同系列の塾に通う少女達はネットで出会い、5人の夏合宿が始まるが……、といったリリカル・ミステリ。出来としては及第点なのですが、ちゃんとしたミステリがコバルト文庫で読めるのであれば注目に値するとでも。終盤にかけて方向性が急展開していく様に耐えられず、読み終わった今でもドンヨリとしたイメージしか残らない。女の子が集まってお茶会となれば楽しく読めるはず! といった僕の観念を綺麗に打ち壊してはくれましたが……。誰か男が外にいる! どうして集まったのか? などの緊迫感が後半までもう少し続けばよかったんだけど、コジンマリと終わらせなかった、それが佳作か。

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)