1659年、ドイツ南部の街ショーンガウで子供が無残にも殺された。遺体には奇妙な印があり、住人たちは魔女の仕業だと騒ぎ出す。孤児を世話していた産婆のマルタが魔女の容疑にかけられ、処刑人クィズルの尋問を待つのみだった。しかし処刑人クィズルと娘マクダレーナは、彼女の無実を確信していた……。
ドイツ発の歴史ミステリで、米国Kindle版が発売されベストセラーになった話題作。作者の祖先がモデル(実際に斬首人だったが、事件はフィクション)になっている点も面白い。今まで読んだパニック小説とはまた違い、魔女狩りを静かに待つ人々という描写が、あっさりした印象もあるが、実に奇妙で恐ろしい。処刑人クィズルの過去や、娘マクダレーナの恋も気になるところで、デビュー作、シリーズ1作目にして堅実な出来。
- 作者: オリヴァーペチュ,Oliver Potzsch,猪股和夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: 単行本
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