ウォルター・テヴィス クイーンズ・ギャンビット

両親の死から一転、孤児院での生活が始まった少女ベス。戸惑うばかりの生活を支えたのは毎日渡される緑の薬と、用務員から教わったチェスだった。ウォートリー夫人に引き取られ、才能を伸ばしながら米国の大会で頭角を表す。賞金だけでなく、その才能を認められた少女は、依存と戦いながら世界の舞台へと歩み始めるが……。

Netflixで見てください!」と熱弁する後輩に「原作が翻訳されたらね」と断っていたので、さっそく読んでみた。事故から孤児、幸せになれない主婦との自堕落な生活。そして付きまとう依存症との戦い。孤独でタフネスな物語は熱く、でも誰かが手を差し伸べてくれる展開に、読む手が止まらなかった。