阿佐田哲也 麻雀放浪記 1 青春篇

終戦直後の東京。焼け野原の上野に建った荒屋ではチンチロリンが営まれていた。博打の才を伸ばす「坊や哲」は、ドサ健や出目徳と呼ばれる勝負師に出会い成長していく。生きねばならない時代に、人を踏んでも博打に賭けた男たちのピカレスクロマン。

20年ぶりの麻雀から解説書を読むようになり、20年前に薦められたまま積んでいた本書を思い出した。賭博を肯定はしないが、陶酔感に満ちた男の姿に惹かれないわけではない。しかしながら、博打とは人の不幸を土壌にして育つ植物だ。伸び伸びと育つ樹木もあれば、姿も確認できない男や、吸われ続ける女がいる。棋士先崎学による解説は、異例の緊張感があった。