井上雅彦 監修 ロボットの夜 ― 異形コレクション

第17弾になるアンソロジー井上雅彦・監修『ロボットの夜 ― 異形コレクション』。収録作に関しては『異形コレクション』読書会が詳しいので、そちらを参照して下さい。色んなロボットを考え出される中で、安心して読めて上手さが際立つのが梶尾真治「小壺ちゃん」(『黄泉びと知らず』収録)で僕ベスト。母を亡くした父のために、姉弟は今まで貯めていた小遣いでレンタル・ロボットを発注するが……という短編。泣かせる家族復帰ものかと思わせて、最後のオチは実に苦々しい。ラストは好きになれないけど、新しい義母と馴染めず、自分の感情を殺してロボットとなっていく少年を書いた本間祐「真夜中の庭で」が異色で良し。

ロボットの夜―異形コレクション (光文社文庫)

ロボットの夜―異形コレクション (光文社文庫)