山田正紀 弥勒戦争

デビュー作『神狩り』に続き、タイトルが凄い山田正紀『弥勒戦争』。滅びの運命を受け入れる独覚一族の結城弦は第三次世界大戦の予兆と、その裏で暗躍する謎の独覚を知る。そして目の前に現れたのは”弥勒”だった……。第二作にしてこのスケール。しかも文庫で200P強。独覚一族に弥勒の存在、戦後から朝鮮戦争へと動き始める舞台設定。もう全部好き。超面白い。結末がヘニョっている不器用なところも愛してしまいます。GHQも在日朝鮮団体も戦争も、超常能力者・結城弦の敵ではないのに”弥勒”だけはマジ勝てねえ! みたいなハッタリ具合を、自分と同年で書いた山田正紀には本当憧れます。

弥勒戦争 (ハルキ文庫)

弥勒戦争 (ハルキ文庫)