アルフレッド・ベスター 虎よ、虎よ!

時は、世界中を自由に飛び回ることができる”ジョウント”時代。そして同時に混乱が訪れた25世紀。顔に虎の刺青をいれた奇妙な男ガリヴァー・フォイルの復讐が始まる。
50年前に書かれた作品なのか! と読み終わってからびっくり。古典ミステリでもここまで読みやすい作品はないよ。至ってシリアスな物語ではあるのだけれど、あまりにも滑稽にドタバタした印象が強い。それが最後まで続き、なんともいえないラストを飾る。ああ、あの作品もこの作品も、ここから本歌取りしていったのかと、本質的な面白さより、そちらに目がいった。