東山彰良 流

1975年、偉大なる総統の死に国民が悲しむ中、祖父が何者かに殺された。見つけたわたしは当時17歳。家族と義兄弟。血で血を洗う世界が世間だと思っていた。激動の大陸から台湾へ移った祖父は、手が早くても皆から一目置かれていたはずだった。そんな祖父がどうして殺されてしまったのだろう。
Kindle版が半額キャッシュバックをしていたので購入。親子3代大河浪漫だと思っていたら、血統版ろくでなしBLUESのような物語で一気に読んでしまった。比較的クールな主人公でコミカル(シニカルか)な作風だけに、ガッツリ男感があれば僕は満足だったかな。作者の経歴で面白いのは「魔人探偵脳噛ネウロ」のノベライズを書いていて、大好きな作品だけに探して読みたい。ここには書かないけど、とても心に残る台詞があったので忘れずにいたい。それだけでもとてもいい小説だった。

流