佐藤正午 鳩の撃退法

元ベストセラー作家の津田伸一は、今は地方都市でデリへルのドライバーを勤めていた。小さな古書店を営んでいた老人が亡くなり、津田に形見の鞄が残された。中には三千万円を超える現金が。喜んだのも束の間、裏通りから「あんたの金は偽札だったんだと」と教えられる。

人生から少しずれた訳ありの面々と、常に酔っ払っているような主人公との、胡散臭いキャッチボールのような会話。ストレートに投げ合って、リフレッシュしろよ。その微睡んだような雰囲気にうんざりしながら読んでいると、驚きのあまり腰の力が抜けてしまった。なんじゃこりゃ。ミステリーの醍醐味とは何なんだ。ど真ん中のミステリー読みてぇ!

鳩の撃退法 上

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鳩の撃退法 下

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