宮内悠介 彼女がエスパーだったころ

百匹目の猿、スプーン曲げ、水への伝言、終末医療……。疑似科学を追うわたしが見ているものはオカルトなのか、真実なのか。

オカルトを追うフリーライターが遭遇する奇々の連作短編集。新聞の書評欄、Twitterで宮内悠介が常々話題になるので読んでみた。みんな好きだよね。デビュー作の囲碁ネタは震えたけど、結局SFそんなに興味ない自分に気づくという……。今回もピンとこなかったけども、終末医療とプラシーボをテーマにした「薄ければ薄いほど」が素晴らしかった。信仰とも治療とも呼べない施設の中で、死を目前にした人たちが集まり、とても静かに死んでいく様子は、小説でしか味わえないだろう。

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)