アイザック・アシモフ 黒後家蜘蛛の会1 【新版】

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の専門家6名が、ゲスト1名を迎えて行う月1回の晩餐会。その会ではゲストの悩みが打ち明けられるが、会員たちが推理を披露する。しかし毎回真相を言い当てるのは、給仕のヘンリーだった!

推理合戦の末、裏方が答える短編集。1編でも読んでしまえば、間違いなくヘンリーを好きになってしまうだろう。彼のスマートな姿勢、平等な優しさは、推理小説界においてもっとも紳士的な探偵ではないだろうか。ベストは、勉強していなかった男がどうしてテストを攻略したか問う「贋物のPh」。最後の台詞でヘンリーの意地悪な顔が浮かぶようだ。