冲方丁 オイレンシュピーゲル 合本版

近未来ウィーン。人種・文化・技術が集結する国際都市ミリオポリス。宗教、国家を狙うテロ事件が相次ぐ中、特技増強された少女たちが立ち向かう。彼女らは3人で一頭の犬。1人とて欠けることはできない。

今年もシュピーゲル・シリーズ再読を進めておくかと思った矢先のテスタメント3上巻の発表! 嘘⁉︎ 年末までに再読できるの⁉︎ と必死で走ってるところ。読むたびに黒赤白それぞれに感情移入してしまうので楽しいなあ。テスタメント2を読んでいると、黒犬の涼月に注視してしまうよね。

高橋和夫 中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビアの変貌

中近東へ行くなら何か知っておきたいな。おっ、ちょうどセールでラッキーと購入したけど、追加でお金を払ってもいいほどの1冊だった。イランとサウジアラビアを中心に、この2カ国の何が大きく違うのかをしっかりと説明してくれるのでわかりやすい。宗派問題だけかと思いきや、地元意識も根深い。文化大国としてのペルシャ、砂漠の遊牧民であるアラブ。周辺国やISについても簡単に触れているので、中近東に興味があれば答えてくれる。それはあんたの推測だろと思うような点も少なからずあったのは感想メモとして残しておく。

プク・ダムスゴー ISの人質 13カ月の拘束、そして生還

スェーデン人の若き写真家ダニエルは戦地の記録を残そうとするが、ISに捕らえられてしまう。暴力と尋問がくり返され、仲間の人質が殺されていく。家族は政府に頼れない中、善意のお金と交渉人に頼るしかない。限られた環境で希望を失わず、生還した青年のノンフィクション。

中近東に行くので読もうと思ったら、妻が「ローマ字がヤバい!」とブックカバーを付けてくれました(本当にありがとう)。拷問や日々の生活がもっと過酷かと思ったけど、基本的に帰らせることを予定されているので、そんなに大げさに煽るほどでは。その中でなんとか生きようとする様々な工夫があって、そここそが面白いのに。クリスマスに向けたアイデアは是非読んでもらいたい。だけど延々続く暴力と、突然訪れる隣人の死の中で、どうやって生きていくか。この苦痛ばかりは想像し得ない。

ISの人質 13カ月の拘束、そして生還 (光文社新書)

ISの人質 13カ月の拘束、そして生還 (光文社新書)