若竹七海 プレゼント

トラブルを呼びこむフリーターの葉村晶。子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。彼女への依頼は、どうして奇妙に捩れてしまうのか。

「どうせハートフル日常ミステリーでしょ?」「あのさぁ、加納朋子と混同してない?」と母から指摘があり、葉村晶シリーズを借りた次第。この苦々しい結末の短編集は俺好みだわぁ……。電話相談所の「ロバの穴」に潜む悪意。アリバイトリックが一級品に変化する「再生」が切れ味抜群。これはまた嬉しい作家を教えてもらった。

プレゼント (中公文庫)

プレゼント (中公文庫)

冲方丁 オイレンシュピーゲル 合本版

近未来ウィーン。人種・文化・技術が集結する国際都市ミリオポリス。宗教、国家を狙うテロ事件が相次ぐ中、特技増強された少女たちが立ち向かう。彼女らは3人で一頭の犬。1人とて欠けることはできない。

今年もシュピーゲル・シリーズ再読を進めておくかと思った矢先のテスタメント3上巻の発表! 嘘⁉︎ 年末までに再読できるの⁉︎ と必死で走ってるところ。読むたびに黒赤白それぞれに感情移入してしまうので楽しいなあ。テスタメント2を読んでいると、黒犬の涼月に注視してしまうよね。

高橋和夫 中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビアの変貌

中近東へ行くなら何か知っておきたいな。おっ、ちょうどセールでラッキーと購入したけど、追加でお金を払ってもいいほどの1冊だった。イランとサウジアラビアを中心に、この2カ国の何が大きく違うのかをしっかりと説明してくれるのでわかりやすい。宗派問題だけかと思いきや、地元意識も根深い。文化大国としてのペルシャ、砂漠の遊牧民であるアラブ。周辺国やISについても簡単に触れているので、中近東に興味があれば答えてくれる。それはあんたの推測だろと思うような点も少なからずあったのは感想メモとして残しておく。