渡辺昌宏 香りと歴史 7つの物語

歴史に登場した香りの数々。シバの女王と乳香、楊貴妃が愛した竜脳、信長が所望した蘭奢待……。歴史を左右してきた、香りのその魅力とは。

香り関係の本が岩波ジュニア新書と岩波科学ライブラリーから同時期に出たので、続けて読んでしまった。歴史好事家が香りを切り口に語っている本で、著者は香りの専門家ではない。知っていると歴史が面白くなるサブエピソード集の1冊。

香りと歴史 7つの物語 (岩波ジュニア新書)

香りと歴史 7つの物語 (岩波ジュニア新書)

池上彰 はじめてのサイエンス

疑うところから始まる科学を、「物理」「医学」「地学」など6科目にわけて、その歴史とともに池上彰がわかりやすく解説する。

『おとなの教養』の続編。池上彰の本はもちろんいい本なんだけど、これにしても、他の著者の口当たりのいい本はあくまでも入門書であって、この先をしっかり読まなあかんなと思うわけです。しかしその1冊に出会うことが難しい。人工知能集合知か、素晴らしいアドバイザーがいれば出会いたい。

飛浩隆 零號琴

遠い未来。特種楽器技芸士トロムボノクと相棒シェリュバンが依頼を受けて到着した惑星“美縟”。残された巨大楽器“美玉鐘”で作られた首都“磐記”では、全住民によって假面劇が演じられようとしていた。そこで奏でられる秘曲“零號琴”とは。

無料で遊べるスマホゲーのCMみたいな小説で、キャラクターの台詞で世界イメージは感じられても、リアルタイムで何一つわからないまま読み通してしまった。このニュアンスを理解してもらえる人は少なからずいると思う。公式ホームページで連載されているようなバックグラウンド・エピソードや解説がかなり面白くて、我ながらもったいない読書体験だった。

零號琴

零號琴