茂木誠監修 武楽清・サイドランチ マンガでわかる地政学

自国中心主義を進めるアメリカ、EU離脱を検討し始めたイギリス、南シナ海への勢いを隠さない中国、混乱を増す中近東。様々な国と国との関係は、地形によってどう変わっていくのか。地政学を切り口に世界史の大局を解説する。

時間の流れが世界史になり、その流れを作るのが地形である、というと格好よすぎ? 今まで触れていないジャンルだったので読んでみた。冲方丁の小説に出てくるキャラクターのジョークややりとりは、バックグラウンドがあったのかと気づかせてくれる。こういうホップ・ステップ・ジャンプのホップを読むと、ステップを教えてほしい。

マンガでわかる地政学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

マンガでわかる地政学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

阿澄思惟 忌録: document X

著者が2006年から2012年までに収集した記録から4点を公開する。1992年、両親の目の前から消えた少女、事件か事故か交霊で娘を呼ぶ「みさき」。目にすれば数日後に死ぬと言われる護符の顛末「光子菩薩」。出版社に残されていた沖縄の幽霊屋敷にまつわるデータ「忌避(仮)」。ネットに残されたブログの一つでしかないのだが、誰かが部屋に忍びこんだ形跡を感じた彼女は……「綾のーと。」 。

これジオシティーズで読んだやつだ! この感覚をポジティブに受け止めていただければと思います。常に読みたい作品ではないけど、5年に1冊あれば嬉しい。

忌録: document X

忌録: document X

アンソニー・ホロヴィッツ カササギ殺人事件

1955年7月、パイ屋敷に尽くした家政婦の葬儀がとり行われた。鍵のかかった屋敷で、掃除機のコードに足を引っかけただけの事故死なのか。真相は誰も知らないが、彼女の死によって小さな村に不穏な空気が蔓延したことは間違いなかった。そして第二の死。不治の病いを抱えた名探偵アティカス・ピュントの登場によって混乱は村人から読者まで……。

国内の賞で5冠を達成した本書。古典へのオマージュともいえるザ・本格のスタンダード×現代サスペンスのスピード感に満足させられるボリュームたっぷりの傑作。スケール感とか、オチの感触とか、読んだ人たちと語りたいたくなるド本格だ。これ以上書くと面白くなくなってしまうので、ここまでにしておきます。素晴らしかったです。

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)