宮澤伊織 裏世界ピクニック4 裏世界夜行

冬。閏間冴月に関する断片を求めて〈山の牧場〉を調査する空魚と鳥子たち。より侵食を深める裏世界に怯むことなく、一夜を過ごすために計画を練る。さらに過去を刺激される空魚だったが……。

夢に見るほどキャラクター小説に没頭した結果、抱けや! はよ抱いてしまえや! という感情が止められなかった。これはもう百合じゃなくて、ジャンル“性欲”です。20年前にも「君は読みかたがわかってない」と怒られたな……。2人の心の距離感で読者を揺さぶってクライマックスを迎えるかと思うと、想像だけでキャパオーバーしそう。

宮口幸治 ケーキの切れない非行少年たち

児童精神科医が多くの非行少年たちと会う中で、ケーキを等分できなかった。何が問題かわかっていない。人との距離感がつかめていない。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人たちとは。どうすれば導くかを説く。

タイトルと帯と年末の勢いで購入してしまった。子どもの認知力に疑問があれば、ちゃんと専門家に見てもらおう。

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
 

宮澤伊織 裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ

コトリバコとの激戦にもめげず、裏世界への探検を進める空魚と鳥子。農機を持ち込んだり、空手家少女の友人を助けたり、謎の組織に拉致されて洗脳されそうになったり! そして閏間冴月の影は日に日に色濃くなり……。

現実から裏世界へ、裏世界から現実へ……。裏世界からの侵食がどんどん進んでない? 農機のためのキャラが登場したり、閏間冴月を引き立たせるための敵キャラが登場したり、メインを繋ぐためのお膳立てのような印象。(感想をフライングすると)結果、4巻がすごく良いんですよ!