平野レミ 笑ってお料理

NHKに出演してトマトを握り潰して怒られた。手抜きだけど愛情は抜いていない。料理愛好家として活躍する平野レミは、どうして料理が好きなのか。思い出のレシピとともに振りかえる。

朝日新聞のインタビュー連載が面白かったので読んでみた。外国人だった祖父や、シャンソン歌手の思い出。夫である和田誠との仲睦まじい様子だけでなく、息子とのベロシップに日々の想いが感じられる。語り口がとても優しいので、疲れたときには平野レミの本を読んでみよう。

芦花公園 ほねがらみ

大学病院勤務の私が収集した実話怪談の数々。その中に登場する呪われた村、手足のない体、白蛇伝説。断片を繋いでいくと、もしかしてこれらは1つの出来事を物語っているのか……。

小説投稿サイト・カクヨムで連載していたものが2020年夏にバズり、2021年に書籍化。ジオシティーズで読んだネット怪談が進化するとこのような形になるのか。民話やオカルト要素をからめながら、まとめていく力は正直弱い。阿澄思惟「忌録: document X」への言及が文中でもあるが、同じように収集家のノート系でよかったのでは?書き分けが上手いので、素直な作品が読みたい。「忌録: document X」と合わせてどうぞ。

ほねがらみ (幻冬舎単行本)

ほねがらみ (幻冬舎単行本)

 

 

伊吹亜門 雨と短銃

薩長同盟前夜の幕末の京。稲荷神社の境内で斬られた長州藩士は死に際に薩摩藩士の名前を残した。目撃者から逃亡した男は鳥居道から消えてしまった。坂本龍馬が尽力する日本の夜明けは失われてしまうのか。龍馬は尾張藩士である鹿野師光に捜査を依頼するが……。

連作短編集『刀と傘 明治京洛推理帖』でのデビューに続く2作目は、前日譚にして長編歴史推理小説。第12回ミステリーズ! 新人賞を受賞した「監獄舎の殺人」がよかったのと、Twitterでの評判が気になったので読んでみた。本格ミステリーである犯人消失トリック How done it ? と、歴史ミステリーである殺した(殺された)動機 Why done it ? の両方が楽しめる。欲張りと評価するか、盛りすぎと感じるか、聞かせてほしい(私は盛りすぎ派)。幕末は何度読んでも苦手意識があって、事前にマンガ日本の歴史を読んでトライしたけど疲れた……。

雨と短銃 (ミステリ・フロンティア)

雨と短銃 (ミステリ・フロンティア)