伊吹亜門 雨と短銃

薩長同盟前夜の幕末の京。稲荷神社の境内で斬られた長州藩士は死に際に薩摩藩士の名前を残した。目撃者から逃亡した男は鳥居道から消えてしまった。坂本龍馬が尽力する日本の夜明けは失われてしまうのか。龍馬は尾張藩士である鹿野師光に捜査を依頼するが……。

連作短編集『刀と傘 明治京洛推理帖』でのデビューに続く2作目は、前日譚にして長編歴史推理小説。第12回ミステリーズ! 新人賞を受賞した「監獄舎の殺人」がよかったのと、Twitterでの評判が気になったので読んでみた。本格ミステリーである犯人消失トリック How done it ? と、歴史ミステリーである殺した(殺された)動機 Why done it ? の両方が楽しめる。欲張りと評価するか、盛りすぎと感じるか、聞かせてほしい(私は盛りすぎ派)。幕末は何度読んでも苦手意識があって、事前にマンガ日本の歴史を読んでトライしたけど疲れた……。

雨と短銃 (ミステリ・フロンティア)

雨と短銃 (ミステリ・フロンティア)