伊吹亜門 刀と傘 明治京洛推理帖

維新前夜の京都。新政府と旧幕府の因縁穏やかならぬ中、若き尾張藩士・鹿野師光は佐賀から来た男・江藤新平と出会う。怪死した志士、密室下で発見された刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人。動乱の中、事件を通してあるべき国の姿を語る2人だったが……。

第12回ミステリーズ! 新人賞を受賞した「監獄舎の殺人」を含む連作短編集。結果、第19回本格ミステリ大賞を受賞したので読んでみた。時代小説を入り口に、人が死ねば本格ミステリーど真ん中の推理議論が始まる。キリキリした緊張感の「監獄舎の殺人」がたまらん。時代背景が説明少なめと感じたため、得意分野ではない人は復習しておくと吉かと。