ここまで登れとは言わないけど、登ろうとはしてほしい。清水マリコが書く、性に目覚める少女小説『あなたに胸いっぱい ― メガネっ娘★初恋』は上手い。あえて主流から脱した、性に臆病で、読書を好むもの静かな、99cm、Gカップの胸を自虐的に思うヒロイン。執…

Nさんはアユの解剖をしました。おいしかったそうです − 清邦彦『女子中学生の小さな大発見』。課題は「自由研究」。超能力だって、双子の生活だって、溶解度だって何でもあり。マニュアルを処理するのではなくて、何でもいいから発見なり、作るなり、処理す…

犬の連続虐殺事件。見えない鈍器と、犯人の姿 − とみなが貴和『EDGE〈4〉 ― 檻のない虜囚』。一作目は爆弾犯、二作目は幼女誘拐、三作目は毒殺魔、そして四件目は猟奇犯。犯罪に必要な専門課程もいらなければ、目的は犬なのでスケールも小さいし、誰にでもで…

引きこもりの天才が猟銃を盗んで東京へ行った。それを追いかけた友達の瓜生は − とみなが貴和『夏休みは命がけ！』。スニーカー版ではない角川文庫版で読みました。上野・秋葉原を中心に高校生二人がマフィアとヤクザのいざこざに巻き込まれ……。とみなが作品…

呪われた「雪の山荘」で起こる殺人、テロリストが隠れた「孤島」の謎、そして、推理狂が建てた「館」 での余興− 歌野晶午『そして名探偵は生まれた』。過去に400円文庫で登場した二編を収録して、書き下ろし表題作の出来がよければ買いだとは思う。ただ如何…

船戸明里『Under the Rose 冬の物語〜春の賛歌』。ヴィクトリア王朝下の貴族家を舞台に、第一部は母親の死を少年が追うミステリ仕立てに、そして二部は女家庭教師の葛藤を描く。庶民が貴族に教育をするといった矛盾の中で苦しむ女性の姿が素晴らしく残酷で、…

コトキケイ『マヴカレ魔法少女！』って、もしかして桜坂洋のネタを下敷きにしてない？ なんて疑いすぎですよ自分ゲフゲフ。男の中の男になりたいのに、見た目は少女。そんなシンは現役魔法使いの母親（29）に性転換させられ、仕事を引き継ぐことに。しかも自…

16歳の女子高生で文芸部に所属。小説家で物理好きで、そして人妻。旦那は信じてくれないけど、今日も宇宙人に会ったんですよ！ な小林めぐみ『食卓にビールを』の1巻。2話から文体自体を変えたと思うんだけど、読みやすくなって、面白くなるので立ち読みで済…

魔法だ、神だ、王国だ、といった物語が今でも苦手の読まず嫌いですが、それでも喜々として新刊発売前には本屋の少女系文庫棚の前に行ってしまうほど。王子の身代わりに王位継承問題に放り込まれた少女カリエ。そんな彼女も世界を揺るがす大物になってしまっ…

4話＋特典が見られる『ザ・シンプソンズ バート・ウォーズ』。町で開かれたSFコンベンションにスター・ウォーズのマーク・ハミルが登場する「ボディガード・ウォーズ」などを収録。中では「マージの誇り」が歴代ベストに入るぐらい出来がいい。ゲームを盗ん…