須賀しのぶ 流血女神伝 喪の女王 2

魔法だ、神だ、王国だ、といった物語が今でも苦手の読まず嫌いですが、それでも喜々として新刊発売前には本屋の少女系文庫棚の前に行ってしまうほど。王子の身代わりに王位継承問題に放り込まれた少女カリエ。そんな彼女も世界を揺るがす大物になってしまった須賀しのぶ流血女神伝 喪の女王 2』。クッキー缶から一枚だけもらっても、次に食べられるのはしばらく後。毎度の恐ろしい終わり方が魅力的ですが、今回ばかりはもう。平和なのか残酷なのか、これも女神の意志なのかと。ラストで起きる騒動の書き方にしても、普通から異質へ引き込んでいく文章が本当に上手い。そこだけが冷え込むような、こっちまで汗をかいてしまう力が凄いので、今作も大変満足です。

流血女神伝 喪の女王 2 (コバルト文庫)

流血女神伝 喪の女王 2 (コバルト文庫)