2014-01-01から1年間の記事一覧

ミネット・ウォルターズ 養鶏場の殺人 / 火口箱

素朴な少年が恋人を殺して処分した実際の事件を元に、ミネット・ウォルターズが鮮やかに書く中編表題作。村人たちの差別的な偏見が事件へとエスカレートしていくもう1話を収録。 「本を読まない大人たち」に向けて書かれた表題作がとてもシンプルなのに、こ…

冲方丁 オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!! / 壊れもの注意!!

集合文化都市ウィーンにロシア衛星が落下。積まれていないはずの原子炉を巡り、7つのテロ組織が動き出す。ロシア特殊部隊、MPB直属捜査隊、広報部隊に振り分けられたミリオポリス憲兵大隊MPB所属の小隊3人は、それぞれ事件の全貌を探ろうとするが……。 Kindle…

知らないと損する 池上彰のお金の学校

お金の歴史、日々の消費からニュースが分かる解説まで、チーム・池上彰(と思っているのですが、どうでしょうか)による解説書。Kindleで格安セールになっていると池上彰の本は買ってしまう。サラリーマンになってる感を与えてくれるので大変気持ちがいい。…

森博嗣 ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper

師匠カシュウの死から旅にでたゼンは、立ち寄った村で用心棒を依頼される。その屋敷にはどんな病にも効く石があるという。どうして刀を抜くのか。正義とは何か。森博嗣が書く時代小説第2段。 孤独で未熟な技術者、戦闘家を主人公にしたスカイ・シリーズと同…

冲方丁 スプライトシュピーゲル 1 Butterfly & Dragonfly & Honeybee

近未来ウィーン。人種・文化・技術が集結する国際都市ミリオポリス。宗教、国家を狙うテロ事件が相次ぐ中、特技増強された少女たちが立ち向かう。弾丸のように飛び交う妖精『スプライトシュピーゲル』開幕。 Kindle版が安かったので再読(今もセール中? シリ…

テリー・ホワイト 真夜中の相棒

優しい笑顔に皆から好かれ、アイスクリームを愛する静かな殺し屋ジョニー。一人では生きられない彼を支えるギャンブル狂の相棒マック。一人が殺し、一人が依頼を受ける。二人はゆっくりと都会の底で生きていた。刑事を殺すまでは……。文春文庫40周年記念・海…

浦賀和宏 彼女の倖せを祈れない

ライター・銀次郎の同業者が殺された。ライター崩れになりかけていた青葉の遺品から、ボンテージ姿の女の写真が見つかった。銀次郎は事件を引き継ぐ中で、政界の闇に知らず識らず触れていく……。 今や売れっ子らしい浦賀和宏の安藤シリーズが読みたいので支援…

詠坂雄二 リロ・グラ・シスタ the little glass sister

誰も行けないはずの高校の屋上で、男子高校生の死体が見つかる。学園の名探偵は、前日の夕刻に帰宅最後の生徒と遭遇していた。最も怪しまれる容疑者は探偵に「無罪の証明をしてよ」と依頼するが……。 2007年「KAPPA‐ONE」にてデビューした処女作。数年前に友…

冲方丁 オイレンシュピーゲル 壱 Black & Red & White

近未来ウィーン。人種・文化・技術が集結する国際都市ミリオポリスを襲う様々なテロ。それに立ち向かうのは特技増強された少女たち。犯人を殺すために街を走りぬく犬『オイレンシュピーゲル』。 Kindle版がセールだったので再読。感想は過去のを修正して再掲…

高橋秀実 「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー

東大合格者数日本一で有名な開成高校に野球部があった。だけど弱い。小さなグラウンド練習は週1日。ノックも、バッティングも不十分。それでも僕らの勝ち方があるはずだ。監督が生み出した独創的なセオリーと、のんびり勝利を目指す野球部員のドキュメント。…

NHK子ども科学電話相談1

花粉症の薬をもらおうと病院に行って、暇つぶしに読んでみたら大変面白かった。様々な専門家たちが子どもの質問に答えるラジオ番組の書籍化。昆虫、動物、天体と多岐に渡る名書。伝聞ではなく、自分の経験で語らせようとする手法は勉強になった。是非機会あ…

浦賀和宏 記憶の果て

父が自殺した。急な死を受け入れられない安藤直樹は、父の書斎で残されたパソコンに触れる。「裕子」と名乗る女性との会話を通して、彼は少しずつ惹かれていく。彼女はいったい何者なのか。父はいったい何を残したのか。第5回メフィスト賞受賞作の再文庫化。…

岡田斗司夫 悩みのるつぼ 〜 朝日新聞社の人生相談より 〜

セールで購入。「お父さんが嫌いな少女」の回答が面白かったので読んでみた。朝日新聞土曜別刷りbeで人気のコラムを1冊にした解説書。悩みにどう答えていくか、悩みのポイントは何かを丁寧に教えてくれる。コラムだけで良いんだけどなあと思っていたら、最後…

十市社 ゴースト≠ノイズ(リダクション)

クラスの皆から幽霊と呼ばれる僕、一居士架。誰からも話しかけることのなかった学園生活は席替えで一転する。僕の前に座った玖波高町と図書館で話をするようになったのだ。しかし彼女は学園で連続して見つかった動物への虐殺について何かを知っている様子で……

コリン・デクスター 別館三号室の男

年末にホテルで催された仮装大会は大盛況に終わり、皆が思い思いに部屋へと戻った。翌朝、何故か開け放たれた部屋で、撲殺された優勝者が発見される。新年早々の静かなオックスフォードを舞台に、警部モースとルイスの捜査が始まる。 デクスターらしいややこ…

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ― 天才数学者の光と影

2007年、遂にポアンカレ予想が解かれた。世界中が注目する中、ロシアの天才数学者グリゴリ・ペレリマンはフィールズ賞を辞退。その後、ロシアの故郷に消えてしまう。何故、彼は世紀の名声を拒んだのか。様々な巨匠たちが挑んだ難問に、歴史から振り返る。 先…

NHKスペシャル取材班 42.195kmの科学 マラソン つま先着地 vs かかと着地

フル・マラソン歴代記録保持者100人のほとんどをケニア、エチオピアが埋める理由はどこにあるのか。その答えを求めて、医学的、また選手のインタビュを通して真相を求めるドキュメンタリ。 Kindle版がセールだったので購入。これは面白かった! 何故彼らは早…

宮部みゆき 誰か Somebody

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した会社の運転手・梶田の娘たちから相談を受ける。運転手らしい、口硬い男だった梶田。しかし彼の人生をたどり始めると、普通ではない奇妙な過去が見え始める……。 宮部みゆきは何を書いても本格になるなと思って…

森博嗣 四季 夏

真賀田四季、13歳。人類の中でもっとも神に近い少女は、成長と共にその才能が周知され始めた。ある女性との再会、ある男からの誘拐、完成近づく孤島の研究所。変化する環境を巧みにコントロールしながらも、少女はただ1人の男に止められない感情を抱いていた…

正木香子 本を読む人のための書体入門

書体によって文字や文章、漫画のコマなど風味が変わる。書体の楽しみ方、その入門書。 「書体入門」活字の本! 歴史知りたい! で読むと、"How to study 書体!?"ではなく"How can I feel 書体!?"だった驚きは半端なかったぜ。新書というよりは、エッセイだよ…

ケイト・モートン 秘密

国民的女優ローレルが50年前に見た、母の衝動。田舎町に訪れた不審者をナイフで一突き。ローレルの証言で母は正当防衛になったが、男は直前に「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と声をかけていた。死を目前にした寝たきりの母の過去とは。母の大切にした本か…

小川洋子 博士の愛した数式

家政婦のわたしが新しく配属されたのは、80分しか記憶を保てない元数学者の家だった。少しずつ心を開き、ゆっくりと短い時間を大切にしていく不器用な2人。素数、野球、ルート、そして博士の愛した数式。 Kindleセールで安くなっていたので再読。とても懐か…

島田裕巳 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

仏教伝来から、日本仏教の始まり。そして現代仏教へと別れた宗派とは? その歴史を優しく説いた超良書。いやこれは本当に分かりやすい。学術宗教として確立された仏教が、どのようにして信仰へと変わったか。日蓮系の新興宗教も過剰な情報なしに理解できる。…

川原健 明太子をつくった男 ふくや創業者川原俊夫の人生と経営

昭和24年、戦後の博多中洲から再起を試みた食料品店ふくやの主人から、福岡名物の歴史は始まった。韓国のソウルフードから、日本全国の食卓で楽しまれる惣菜になるまで。明太子の誕生とこれから。 博多の明太子メーカーで1番は「ふくや」だろうし、実際ふく…

木原浩勝 九十九怪談 第四夜

今年2冊目もホラー。毎度の現代怪談99話を収録。九十九怪談 第四夜 (角川文庫)作者: 木原浩勝出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2013/05/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る

小野不由美 残穢

マンションの一室、和室から畳を掃くような音がする……。いるはずのない赤ん坊の泣き声が聞こえる……。呆けた老婆が床下の何かに話しかけている……。この土地には人が居着かない……。小野不由美がマンションの怪奇現象を調べるうちに、土地にまつわる奇妙な過去…

13年度読んでよかった本

昨年はこれがよかった! という自分なりのベスト(05年版)(06年版)(07年版)(08年版)(09年版)(10年版)(11年版)(12年版)。えらい忙しくなってきたぞ、と思いつつ意外と読んでいた1年。秋の期待の新刊ラッシュが恐ろしかったことを除けば、落ち…