賀東招二 踊るベリー・メリー・クリスマス ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園戦場物語シリーズ本編5巻。対テロ組織”ミスリル”と巨大テロ組織”アマルガム”の間に緊張感が増す中、陣代高校の生徒たちは臨時修学旅行でクリスマス・イブに豪華クルーズ！ 千鳥かなめの誕生日も重なって2人の関係も縮まるかと思いきや、テッサのアプローチも進んで、しかも思い出の夜はシージャック！？
終盤への中継ぎとなって、大きな物語への根底に触れつつ、バネを大きく縮めた感じだったろうか。しかし前作『終わるデイ・バイ・デイ』と対になるところが多々あり、こちらは実に軽い話に仕上がっているので、短編に近い印象もある。今まで急勾配の上り坂をアクセル全快で読んでしまったが、ここから既刊分までは踏まずに下り坂を下りていったようなもの（読書の意味で）。ここらで自分ながらの最終話とエピローグが出来上がってしまい（そりゃ中2が赤面するほど恥ずかしいものだが）、大変満足してしまったんだ。

踊るベリー・メリー・クリスマス―フルメタル・パニック!