浦賀和宏 時の鳥籠

公園で目覚めた”私”は、初対面の”少女”のことを知っていた。”少女”が誰かも。”少女”と”私”の愛した人との関係も。そして”少女”が近いうちに自殺してしまうことも。”私”はどうしてここにいるのか。なんのために”少女”と出会ってしまったのか……。
森博嗣の絶賛推薦文が付いた、デビュー作『記憶の果て』(感想)に続く安藤シリーズ2作目。まさかの2人が出会う1作目の前日譚で、数々の真相が奇妙な形で書かれる。その裏では女子高生殺害まで起き……、と浦賀ならではのカニバリズム傾向は、すでに芽を見せはじめていたのか。僕的大傑作で、続編を合わせた初期3部作の完成度といったら……どうなるんだっけ?

時の鳥籠 (講談社ノベルス)

時の鳥籠 (講談社ノベルス)