浦賀和宏 透明人間 ― UBIQUITY

そして父の不審な死から10年。自宅に隠されていた広大な地下研究室。自殺を繰り返していた理美は、止めてくれた飯島を同伴者として一緒に入るも、遺産となった研究データを巡り、探索者の一人が首を切断されて殺された。犯人は透明人間? もしかして、部屋から消えた貴方は……。
安藤直樹シリーズ6作目は、友人の飯島が主役。自殺未遂をくり返していた少女・理美と付き合ったことから、巨大地下研究室の事件に巻き込まれる。中盤から密室で起こるパニック小説になり、一気に読める。読後感も今までにない後味でマル。注目されていないが間違いなくバカミスの類で、これ単品でも十分に楽しめる出来だ。しかし今までサブキャラ、しかも女の子を誘うためだけの飯島が……。飯島超いい奴。

透明人間―UBIQUITY (講談社ノベルス)

透明人間―UBIQUITY (講談社ノベルス)