ジョン・ハート ラスト・チャイルド

誘拐された双子の妹アリッサ。事件後に失踪した父。暴力と薬に溺れてしまった母。あの穏やかな日々が崩壊してから1年。少年は決してあきらめず、親友とともに妹を探し、もう一度、家族を取り戻そうとした。そしてまた1人、少女が町から消えた……。
英国推理作家協会賞受。早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。外部と自らによって崩壊した、家族の再生を書いた作風は変わらない。また”家族”かとも思わせるが、ハント刑事視線で追う事件の詳細など、様々な視点が入り乱れ、事件の重みは序盤から増していくばかり。終盤、ラストにかけて駆け抜けるようなせつなさを楽しんでもらいたい。もう一度は得難い作品であり、3作目にして記念作に相応しいと思わせるパワーも凄まじいばかりだ。

ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)