冲方丁 テスタメントシュピーゲル3 上

近未来ウィーン。人種・文化・技術・遺産が集結する国際都市ミリオポリス。公安高機動隊MSS、警察部隊MPBはリヒャルト・トラクル率いるプリンチップ社の誘導に屈してしまう。残された最後の切り札は1枚。涼月が敵を蹴散らし前に進むのみ。散りぢりになった特甲児童を再結集させるため、唯一残された移動手段を使い、ミリオポリスを疾走する。鏡合わせの物語を終えるために。
テスタメントシュピーゲル3 下を読む前に再読。3下を読み終えての感想としては、今までのアクション・シーンの集大成だったことに気づく。やっぱりすげぇ。孤独な共闘シーンが泣ける。今までの兵器や犠脳体、それに戦争のプロたちと特甲児童たち。全部をあの文体で、超高速で撹拌しながら一気に読ませる。戦闘か激励か、リヒャルト・トラクル率いる凶悪集団が悪巧んでいる会話しかない。とても尊い1冊。