池田理代子 宮城まり子 石垣綾子 ほか わたしの少女時代

少女たちの前にはさまざまな可能性が開けています.大きな希望を抱きそのために努力を積み重ねるなかで,自分の人生を選ぶことができるのです.この本では,社会の第一線で活躍する先輩十三人がみずからの少女時代を語っていますが,その一つ一つは人生を歩み出すみなさんに勇気と自信をあたえることでしょう。

79年に発刊された岩波ジュニア新書3の本書。あらすじが素晴らしかったので、そのまま引用しました。書き手の時代もあって、第一線で活躍している女性は戦争体験者ばかり。この体験や捉えかたが幅広く、戦争とは何かを考えさせられる。女性社会、差別意識についても理解が深まる。童話作家なかがわりえこ衆議院議員土井たか子など、学びへの姿勢がとても綺麗だ。芥川賞作家の林京子満洲での生活、原爆投下の実体験を生々しく書く。役者の娘として純粋に学業を欲した女優の沢村貞子「女学校へゆきたい」は、近代化への軋轢がわかる貴重な1編。素晴らしい本だった。復刊するなら是非勧めたい。

わたしの少女時代 (岩波ジュニア新書 3)

わたしの少女時代 (岩波ジュニア新書 3)