佐藤究 Ank : a mirroring ape

発端は1頭のチンパンジーのひと鳴きから始まった。 2026年、京都で大暴動が始まった。母が子を、チームメイト同士が全力で襲い合う姿はネットを介して世界に衝撃を与えた。唯一、異変に気づいた霊長類研究者の鈴木望は立ち向かうが……。

第39回吉川英治文学新人賞、第20回大藪春彦賞を本作で受賞。ヒトと類人猿を分ける要素や、チンパンジーの研究は資料をもとに丁寧に書かれている印象。気持ち盛り上がって一気に読み進めた。一転して中盤以降の暴動シーンや原因解明は、瀬名秀明「BRAIN VALLEY」と比較せざるを得なかった。