筑摩書房編集部 やなせたかし 「アンパンマン」誕生までの物語 ちくま評伝シリーズ ポルトレ

アンパンマンの生みの親、やなせたかし。高知の田舎に生まれ、父を早くに亡くし、苦労の多い人生が始まる。戦争による別れ。がむしゃらにデパートマンとして働いた日々。それでも諦めきれなかった表現への思い。

子どもがアンパンマンを好きで、このキャラクターがどうして生まれたのかを知りたくて読んでみた。親切に育ててくれた親戚との別れや、戦争で死んだ弟がいたなど、複雑な思いがアンパンマンのベースにあると気付かされる。悔やみ、妬みはハッキリ書かれないけど大きな原動力だっただろう。下積みを続けてタフな精神力を培い、表現者として花開いたのは50歳になってから。アンパンマンのアニメが始まったのも意外と新しい。