子安美知子 ミュンヘンの小学生 娘が学んだシュタイナー学校

ミュンヘンに留学した学者夫婦が娘フミを入学させたのは、シュタイナー教育の学校だった。点数は付けない、競争もさせない。12年間の一貫教育を通して子どもたちの能力を伸ばしていく。異国の地で母が見たフミの成長とは……。

知人と話していると「私、シュタイナー教育だったんです」「シュタイナー?」「シュタイナー界のレジェンド、子安美知子の本を読んでみてください」と紹介された。ルドルフ・シュタイナーが実践した、義務教育ではない(私たちからすれば特殊な)表現方法を通して算数、アルファベットを一貫して学ぶ。教育方法への関心からページをめくる手がとまらない。同時に、子の成長を見つめる母の温もりが心地よかった。「シュタイナー教育で困った思い出もあります。でも今思うのは、家でも外でもその環境を整える家族が大変。とくに母はすごかった」と知人は楽しそうに笑っていた。