ユッシ・エーズラ・オールスン 特捜部Q カールの罪状

1人の女性が60歳の誕生日を迎えて自殺した。殺人捜査課課長ヤコプスンは、彼女が爆発事故で不幸にも子どもを亡くした母親だったと気づく。新型コロナウィルス感染症が蔓延し、クリスマスを迎えようとするなか、特捜部Qは新たに気づいた共通事項を追って再捜査を懸命に進める。時を同じくしてカールの自宅屋根裏から大量の麻薬と現金が見つかった。これはステープル釘打ち機事件の直前に預かったケースだった……。

シリーズ全10巻を目前とした9巻目。正直、読み終えてしばらくした今も、気持ちの整理が上手くできていない。未解決事件から大筋に繋がる面白さは、『Pからのメッセージ』『吊るされた少女』に続く出来。特捜部Q設立のきっかけとなったステープル釘打ち機事件にいよいよ迫り、シリーズ最終巻に1作目に立ち返る! 高鳴る心臓が痛くなるほどの展開を期待したい。