千早茜 赤い月の香り

天才調香師・小川朔に誘われて、丘の上の洋館で働くことになった朝倉満。人並外れた嗅覚を持ちながら、そのために世間から離れた彼が作るオーダーメイドの香水は誰もを魅了する。朔と香りに集まる人々を通して、満はある出来事を思い出す……。

天才調香師と家事手伝いを任された女性の交流を書いた『透明な夜の香り』の続編。依頼人を除けば、お年寄りも含めてほぼ男性の物語だ。主人公・小川朔が前作以上に腫れもの扱いになっている。もっと汚くていいのにと願ってしまう私がいる。