大沢在昌 新宿鮫1 新装版

仲間に頼らず、孤独に捜査をする新宿署刑事「新宿鮫」こと鮫島。日本一の繁華街、歌舞伎町で警官が連続して射殺された。署員たちによる必死の捜査が行われるが、鮫島は密造銃の天才・木津を追う。ヤクザや不審者が跋扈する新宿で、大胆な犯人の狙いとは……。

シリーズ2作目「毒猿」がミステリーランキングに入っているので読んでみた。圧倒的な存在感のちょい役ヤクザや、エリート街道から放り出された鮫島の過去が読み応えありすぎだろう。巨大な組織な一匹狼ものは得意ではないけど、描写がくどくないので一気に読めてしまった。80年代の古さが逆に味がある。クライマックスの疾走感も大満足で、2作目がとにかく楽しみ。早々に読んでしまおう。

新宿鮫 新装版: 新宿鮫1 (光文社文庫)

新宿鮫 新装版: 新宿鮫1 (光文社文庫)

  • 作者:大沢 在昌
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/02/13
  • メディア: 文庫

テレビ東京ワールドビジネスサテライト Vチューバー相内ユウカが経済ニュースわかるまで聞いちゃった。

テレ東系列ワールドビジネスサテライトから生まれたVtuber相内ユウカとキャスターが2019年のキーワードを解説。年金問題・5G・GAFA・米中問題などなど、2020年の気になるニューストピックスの入門書。

社長から読んでみたら? と渡されたので。2019年の話題ニュースから、2020年にもポイントとなるキーワードを会話形式でわかりやすく解説。日産ゴーン問題はどこが有罪か項目別になっていることが理解しやすい。しかし本にする意味、しかもARアプリと表紙を連動させる必要はあったのか。相内ユウカとキャスターのやりとりが旧時代的で、わかりやすいだけに大変残念。

Vチューバー相内ユウカが経済ニュースわかるまで聞いちゃった。

Vチューバー相内ユウカが経済ニュースわかるまで聞いちゃった。

池田理代子 宮城まり子 石垣綾子 ほか わたしの少女時代

少女たちの前にはさまざまな可能性が開けています.大きな希望を抱きそのために努力を積み重ねるなかで,自分の人生を選ぶことができるのです.この本では,社会の第一線で活躍する先輩十三人がみずからの少女時代を語っていますが,その一つ一つは人生を歩み出すみなさんに勇気と自信をあたえることでしょう。

79年に発刊された岩波ジュニア新書3の本書。あらすじが素晴らしかったので、そのまま引用しました。書き手の時代もあって、第一線で活躍している女性は戦争体験者ばかり。この体験や捉えかたが幅広く、戦争とは何かを考えさせられる。女性社会、差別意識についても理解が深まる。童話作家なかがわりえこ衆議院議員土井たか子など、学びへの姿勢がとても綺麗だ。芥川賞作家の林京子満洲での生活、原爆投下の実体験を生々しく書く。役者の娘として純粋に学業を欲した女優の沢村貞子「女学校へゆきたい」は、近代化への軋轢がわかる貴重な1編。素晴らしい本だった。復刊するなら是非勧めたい。

わたしの少女時代 (岩波ジュニア新書 3)

わたしの少女時代 (岩波ジュニア新書 3)