ハンス・ロスリング オーラ・ロスリング アンナ・ロスリング・ロンランド FACTFULNESS ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

知識や経験にとらわれていたり、1つのデータだけで、全てがそうだと判断していないだろうか。ファクトフルネスとは、データや事実を把握し、世界の現状を読み解く習慣である。10の本能を紹介しながら、世界における教育、環境、エネルギーなど、様々な問題を理解する術を伝える。

インドや中国のエネルギー使用量はもちろん多いけど、1人当たりでは先進国に及ばないことに気づく。コロナウィルスも刻々と広がっているけど、そのブレーキ具合いが見えてこないことも、報道を鵜呑みできないポイントだろう。そのためには、公開されている各国の数字だけでは不十分で、世界地図や数字の変化が必要になる。最近、ニュースを見る効率化を考えていて(NHKニュース7の30分で十分説)、そのベースとなる思考方法を教えてくれた。この人が紹介したこのジャンルは読もう!の中の1冊でした。ありがとう御座いました。

佐久間裕美子 真面目にマリファナの話をしよう

2014年、コロラド州が全米で初めて嗜好目的のマリファナ使用を合法化した。これを機会に様々な企業がアイデアや投資に名乗りをあげた。連邦政府が悪とするマリファナは、どうしてビジネスとして認められるようになったのか。アメリカで市場化していく歴史を追う。

コロラド州出身のアメリカ人と話していて「頭痛がひどくて、マリファナキャンディーを舐めたんだけど」「それドラッグでしょ!」と驚いてしまった。医療用大麻があるなんて知らなかったので、勉強のために読んでみた。マリファナを巡る、政治・医科学・文化による開放と抑止の攻防が激しくあったことがよくわかる。タバコ・アルコールに続いて、州内のお財布事情をうるおすために解禁したとばかり思っていた。アメリカという精神的土壌と、ブラックマーケットとの戦い、鎮静剤オピオイド問題など、山積みの課題があるけれど、どう変わっていくかはニュース含め追っていきたい。

真面目にマリファナの話をしよう

真面目にマリファナの話をしよう

小川一水 天冥の標9 ヒトであるヒトとないヒトと

セレス地表にあるシェパード号を目指す一行が目にしたのは、メニー・メニー・シープの成り立ちを知る道でもあった。セレス・シティ復興を望む人々の思いは、共生への道程となるのか。ヒト、救世群、恋人たち、カルミアン、生きとし生けるものたちの運命が交錯する。

震災による巨大津波のニュースを見ているような物語だ。人の悲鳴、家がひしゃげる音、濁流の色、ニュースキャスターの警告、刻々と増加する死者のテロップ。それぞれの言葉や行動に意味があることに気づく。しかし、読者は何もできないまま物語を見つめるしかない。シリーズ第9巻にして、凄まじい旅に付き合ってきたことに気づく。