ウィリアム・L・デアンドリア ホッグ連続殺人

女性三人が乗った車に落下した看板。それは事故のように思えたが、翌日に届いた”HOG”による手紙から、雪に閉ざされた村を震撼させる連続殺人事件は始まった……ウィリアム・L・デアンドリア『ホッグ連続殺人』。ミッシング・リンク系の本格ミステリですが、やっぱり一番面白いのは”ストーブを目の前に凍死した男の謎”でしょう。確かに”HOG”の真相も素晴らしいけど、これだけ単純な謎なのに、明かされる気持ちよさは格別。瀬戸川猛資の言葉を借りると、序盤で提示される大きな謎、中盤の恐怖を煽るサスペンス、最後に提示される解答と、その意外性。本当にそれにつきる! なんですよね。そして読了者だけが分かる、巧みに張り巡らせた伏線の醍醐味。しかし唯一つだけ、アレが提示されるのは唐突すぎる。

ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)