原田実 江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統

道徳の教科書にも掲載され、広告にも使われた「江戸しぐさ」。実は江戸から続く伝統などではなく、近代に作られたものだった。その歴史と広がった経緯を追う。

全ての伝統はどこかで、誰かによって作られて、関係者の好意によって広まっていくものだ。というのは僕の持論だけど、そに中に入ってしまった欲望や虚偽を暴く1冊。創作マナーとして始まった「江戸しぐさ」が陰謀論と融合していく過程が、時代と相まってあまりにも悲しい。否定されている事実だけでなく、受け入れられて広まっていく様子もわかる。似非科学、創作歴史に興味があればまとめサイトもいいけど、本書は一読の価値あり。