葉真中顕 コクーン

1995年3月20日丸ノ内で起こった新興宗教団体「シンラ智慧の会」による無差別乱射事件。その首謀者は教祖の天堂光翅であった。彼に関わった者は、一匹の煌めく金色の蝶を見ていた……。

様々な視点で語られる事件の断片。貧困や震災など、社会問題を切り口にしてグイグイ読ませるのは、葉真中顕の上手さだよね。それぞれの苦しさが読者にとっては甘美で口当たりよく、いつまでも汚い音をたててすすれてしまう。他の作品でもオチの感触が好きではないんだけれど、今回はボーナストラックにビックリ!

コクーン (光文社文庫)

コクーン (光文社文庫)