ザ・チェーン 連鎖誘拐

レイチェルの娘が誘拐された。何者かからビットコインでの身代金、続けて子どもを誘拐しろと要求が入る。次の家族が身代金を支払い、さらに別の子どもを誘拐すれば、娘は解放される。失敗、通報、相談はレイチェルと娘の死を意味する。連鎖誘拐システム「チェーン」に巻き込まれ、被害者であり加害者になったレイチェルだが……。

雑に紹介すると、完全に幸せになれないシングルマザーが暴力と策略の世界に巻き込まれるやつ。メキシコで行われた交換誘拐をベースに、現代アメリカの家族像とダークウェブなど闇社会が合体。波に乗ってしまえば、最後まで一気に勢いで読めてしまう。サブストーリーとして挟み込まれる事件の背景が魅力的。早川書房のゲラ読み募集で機会をいただきました。ありがとう御座いました。年に一度くらい、こういう作品に出会う。