長谷川栄祐 面白くて眠れなくなる生物学

高校の生物学をベースに、教科書には載っていない生物の成り立ちと、仕組みを解説する。
「生物の本って興味ありますか?」と借りてみた。性別が出現した理由や、アリなど集団行動をする生物のメカニズムなどは、著者の専門領域に近いこともあって面白い。しかし好きなのは自由だけど、アニメネタを小刻みに入れてくるのは鬱陶しいだけだ。大学の生物学をゆっくり勉強し直したい。

面白くて眠れなくなる数学

面白くて眠れなくなる数学

白井智之 人間の顔は食べづらい

安全で新鮮な食料として“首のないクローン人間”が届く日本。クローン出荷施設で働く和志は、今日も間違いなく、死んだばかりのクローン人間の首を切断して出荷した。しかしある客に届いた商品には、処分したはずの首が入っていた⁉︎ 事件には奇天烈な探偵が参戦し、益々複雑になっていくが……。
奇妙奇天烈な世界観も、雑さとグロさで読めちゃう不思議。なんだこれー! 第三十四回横溝正史ミステリ大賞最終候補ではあるけど、あまりにも好き嫌いがわかれるだろう作品をよく刊行したなあ。ミステリーとしてまとまっているんだけど、一部の派手さはなんだったんだという。

人間の顔は食べづらい (角川文庫)

人間の顔は食べづらい (角川文庫)

安田登 能 650年続いた仕掛けとは

歴史の中で数々のエピソードとして登場し、豊臣秀吉も愛した能。能はどのようにして生まれ、流行り廃りがありながらも、なぜ今日まで続いてきたのか。
Twitterで紹介されていたので読んでみた。親戚が集まると謡いだす老人がいて、またそれに続く人がいて、どうしてなのか不思議だったけど、本書のおかげでよくわかった。大河ドラマでも、秀吉の能狂いがエピソードになっていたけど、能は芸能から社交へと変化して残ってきた。ゴルフ好きの上司に付き合わされる姿と一緒だったな。ゆったりしたのには勘弁だけど、もう少しは楽しめそうだ。

能  650年続いた仕掛けとは (新潮新書)

能 650年続いた仕掛けとは (新潮新書)