森博嗣 ブラッド・スクーパ

都を目指す旅の途中、ゼンは庄屋の警護を頼まれた。その家には竹の中から取れる、不老不死の薬となる“竹の石”が残されているという。その石は亡くなった師匠カシュウが見つけたものだという。村祭りを目前に、ゼンは依頼を聞くことにしたが……。

森博嗣の書く時代小説シリーズ2作目。今作は集団のコミュニケーションを通して力の意味に気づいていく。聡明な女性とのずれたやりとりは、森博嗣が「皆さん好きでしょ」と書いてくるやつ……。

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板垣恵介 夢枕獏 藤田勇利亜 小説 ゆうえんち 3 バキ外伝

“ゆうえんち”入園から葛城無門に躊躇なく襲いかかる強者たち。目的は金か、名声か。それとも子どものような好奇心か。主催者たちが見つめる中、無門は目の前の敵と向き合うことになる!

“ゆうえんち”で戦う様子を見てモジモジする男たち! それ本当にはしたないから。夜の店の待合じゃないんだから。バキBLセックス論を読んでから、男たちが戦う景色が官能小説に変わってしまった。ともかく、獏ワードで刃牙ワールドを表現する勢いとワクワク感を体験してほしい。ただただ完結を願う。

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嶺重慎 広瀬浩二郎 さわっておどろく! 点字・点図がひらく世界

視覚障害者は音、匂い、触って認識をしている。触ることで情報を伝えてくれる点字、点図。その作られた歴史と発展を説明する。

10代で全盲になり京都大学を経て研究者となった広瀬浩二郎と、天文学を学びながらボランティアを通して視覚障害に触れた嶺重慎による、点字・点図のガイダンス本。点字をまとめたルイ・ブライユや、社会活動に貢献したヘレン・ケラーを紹介しながら、視覚障害者たちの起こした波へと話題を展開していく。読書が好きな私が、もし見えなくなったら……と考えながら読んでしまった。

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