「新耳袋」の著者・中山市朗が蒐集した実話怪談シリーズ第8弾。吉野の山奥で古民家を改修して始まる異常な怪異。明らかな敵意に足が立ちすくむ……。
角川ホラー文庫で唯一読んでいる実話怪談集。「ずれた世界」が典型的なモダンホラーながら圧倒的に怖い。泣ける怪談がいいとは思わないが、大水害で両親を亡くした「泥人形」には思わずほろりとさせられた。
続きを読む「近くでいい居酒屋知らない?」その一声についていったらマルチ商法に片足を入れていた。新聞記者である著者が、コロナ禍で彼らに出会い惹かれていく。なぜ彼らはやりがいを求めるのか。通称「事業家集団」「環境」と呼ばれる組織が引きこむ手法とは。
NHKスペシャル取材班「半グレ 反社会勢力の実像」と同じく、記事をそのまままとめて新書にした本だった。お酒の場を通して、彼らがなぜ惹かれていくのかを引き出したり、組織の主要メンバーにコンタクトを取るところまで踏みこんではいる。だけど、印象としては報告書に終わる。強くなった気にさせる時代小説とか異世界転生とかのような、パッと賢くなった気にさせる新書を読んでしまうのやめたい。
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