美人民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤が興味を示し調査にでると、殺人事件に巻き込まれてしまう連作短編集第2弾。元から存在する民俗学の謎と、フィクションとして登場するミステリ要素を含んだ謎が上手く融合する。
”五百羅漢””三種の神器””即身仏”など、そのものの謎より、あくまでもガジェットとして使用した印象がある。これもまた面白い点だろう。解説で中世民族学者・田中貴子が触れているように、ドラマ性も大きくアップ。ホームズ形式のシンプルな前作から、少しずつキャラクタの要素がにじみ出てきている。
神の性格が変貌する謎を解いた「大黒天」、わらしべ長者の裏に迫る「御陰講」。会話分の独特な書き方が気になっているのだが、トリックが大変わかりにくい。
- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: 文庫
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