古処誠二 ルール

古処誠二の戦争物は読んでみたかったので文庫化が嬉しい『ルール』。
敗戦間近のフィリピン・ルソン島を舞台に、ギリギリの中を生きる日本兵たちは一人の白人捕虜を捕まえるが……。白人が食われる様を今か今かと想像してはドキドキしていましたが、全然違う話でした。ミステリ的なサプライズも少なからずあるのでちょっと驚き。最初から限界状況を描いてしまうと、あとあと面白くするのは難しいかな。基本は下痢と粥と蛆虫の話なんだけど、不思議とそれほど重くない。表紙にもインパクトがなく、黒主体でしてくれたほうがワクワクした気もします。(2005年08月)

ルール (集英社文庫)

ルール (集英社文庫)