フィン・ベル 壊れた世界で彼は

ニュージーランドの静閑な住宅街で、民家に地元ギャングが立てこもった。銃声ののち大爆発。機動隊が突入すると妻と娘は無事だったが、夫が消え、5人のギャングが死んでいた。ギャング1名が夫を連れて逃げ出した可能性が高い! 現場に急行した刑事ニックによる追跡捜査を始めるが……。

ここ最近の海外ミステリーの一部トレンドとして「身構えさせる」導入が多い気がする。今作も「ここをガードすれば」と守っていたら、強烈なワンパンチに骨ごと砕いて打ち抜かれてしまった。軽めの語り口で、散りばめられた違和感が伏線の束となって威力を発揮する。

東京創元社のゲラ読みに当たり、本書を読みました。自分の経験から選択肢が狭まる中、学生時代のようなチャンスをいただき、ありがとう御座いました。