池袋の書店で、土曜日ごとに五十円玉二十枚を千円札に両替する中年男の真意とは? 若竹七海の実体験にプロアマ問わず13人が挑戦し、妙技と解答を堪能できる競作アンソロジー。
謎の圧倒的存在感よ。デビュー前に若竹七海賞を受賞した倉知淳の力技は、立方体だと思っていたらルービックキューブのように景色を変えていく強引さよ。剣持鷹士が書くバックグラウンドの深さは、最優秀賞受賞に異論はなし。有栖川有栖「老紳士は何故……?」は、学生アリスが読めてただ嬉しい。いしいひさいちはいしいひさいち節で大好き。佳多山大地「新本格ミステリを識るための100冊令和のためのミステリブックガイド」の紹介をきっかけに読んでよかった。