アリス・フィーニー 彼は彼女の顔が見えない

古いチェペルでの宿泊を招待された夫婦。ずっと上手くいっていなかった2人は、大雪のなか辛うじて無人の施設に到着する。猛吹雪で動けなくなり、それぞれの隠しごとに気付きながら食事を進めるが、この屋敷には私たち以外にも、誰かがいる……?

驚きの真犯人を書いた『彼と彼女の衝撃の瞬間』は私にとっての2021年ベスト級。続いて今作は、顔を認識できない夫と、不安に追われている妻が緊張感高いサスペンスを演じる。「どんでん返しの女王」と呼ばれるだけあり、結末付近で見ていた風景が一瞬にして変わる。夫婦を中心としたパニック小説を読み通すのってエネルギーいりますね。